A3 (Anti-Acute Abdomen) Project
急性腹症腸管CT読影オンライン集中講座
病態別アルゴリズムで、狙いを定めた診断ができる
急性腹症のCT Step読影法(腸管篇)
「病態」と「部位」の絞り込みで疾患をロックオン!
日常業務でご多忙の中このサイトをご閲覧いただきまして、誠にありがとうございました。このページを見られているということは急性腹症のCT Step読影法にご興味を持たれている先生だと思います。本来でしたら対面で先生にご説明をしたかったのですが、私は日常臨床に追われる中核病院の外科医のためとても時間を捻出することができませんので、サイトでの説明とさせていただきます。
Ⅰ.急性腹症の診断に自信はありますか?
急性腹症は日常経験する頻度が高いうえに、見落とすと患者が重症化したり命を失う可能性のある疾患も含まれているので、確実に診断をできるようにしたい病態です。
急性腹症の診断にはCTが極めて有用で、急性腹症診療ガイドライン2015でもすべての患者がCTの適応となりうるとされています1)。私は地方中核病院の外科医で、急性腹症患者を毎日のように診断・治療していますが、実際CTには何度も救われています。
私自身は、CT読影の師匠である堀川義文先生から10年間ほど徹底的に急性腹症のCT診断をご指導いただき、今では絶対的な自信のあるスキルを身に着けることができました。
堀川先生の書かれた「急性腹症のCT」はバイブルとして有名ですね2)。しかし、堀川先生は出版だけでなく、多くの徳洲会の関連病院を回って急性腹症のCT診断のセミナーを開催し、研修医らに直接指導されておりました。実は私の勤務する病院は堀川先生の関連病院ではないのですが、お願いして特別に教えてもらっていたのです。
堀川先生はそのセミナーの予習のために、1500症例もの急性腹症のCT演習問題を作成しWebで公開されたのですが、こちらのサイトもとても有名で現在も多くの医師がこのサイトで学習していましたが、残念ながら堀川先生の退職に伴い現在はサイトが閲覧出来たり消えてしまったり不安定な状況です3)。知らない方は是非一度閲覧してください。堀川先生は直接指導時に読影の方法など詳しく解説されるので、Webのサイトだけではすべてを学ぶことはできませんが、それでもかなりのことを学ぶことができました。
1)急性腹症診療ガイドライン2015
https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0214/G0000779/0001
2)堀川義文 ほか、急性腹症のCT.へるす出版
3)急性腹症のCT演習問題
(2020年6月7日時点では閲覧可能です。)
Ⅱ.時代はフィルムからViewerへ
急性腹症の重症例の見落としは患者の命に直結するため、見落とした医師のショックは相当なものだと思います。自信をもって急性腹症を診れる医師になれるよう、CT診断は絶対身に着けてほしい技術です。
堀川先生のCT診断のレクチャーのおかげで、これまで多くの医師がCT診断技術を身につけることができていましたが、残念なことに堀川先生は退職され現在は直接指導をいただくことはできなくなってしまいました。
堀川先生の作られた急性腹症のCT演習問題のWebサイトはフィルム読影の時代に作成されたものですが、現在はPACSのViewerでの読影が主流になっています。そのため、堀川先生はPACSのViewerで学習できる環境を構築したいと常々おっしゃっていました。
私は堀川先生に素晴らしい技術を教えていただいたことに対して、何かお礼をしたいと考えていたので、Viewerで画像閲覧できるWebサイトを作る協力を申し出ました。私の専門の一つが遠隔医療なので、その技術を使って2015年頃からシステム構築を試みましたが、その当時は同時に複数の医師が閲覧するシステムの構築には1億円以上かかったので金銭的に構築が困難でした。画像を配信して自分のPCなどで見れるようにする方法も考えましたが、容量が大きすぎて配信するのも現実的ではありませんでした。
しかしその後、放射線科医師である松尾
義朋 先生が同時に複数の医師が閲覧可能な放射線画像のクラウド配信システムを開発されたことを知り、松尾先生にViewerでCT画像が閲覧できるサイト構築の協力をお願いしました。松尾先生も堀川先生のCT診断技術を注目されていたので、教材の制作に協力いただけることとなりました。
3年間ほど準備にかかりましたが、専用のサーバーを確保していただき、ついに堀川先生の遺志を継いだViewerでCT画像が閲覧できる教材が完成しました。
Ⅲ.消化管のCT読影は難解である
急性腹症をきたす消化管の疾患はたくさんあります。比較的頻度の高い疾患だけでも30種類以上あるのですが、困ったことに同じ疾患でも病態が異なると画像所見が変わってしまうため、より多くの所見を覚える必要があるのです。例えば、虫垂炎は炎症の軽微なものから穿孔して膿瘍形成、あるいは穿孔性腹膜炎になった場合では画像は全く異なります。
また、消化管は食道から始まり直腸へと続く長い経路であるため、疾患の画像を理解していてもどこに所見があるのか探すのが難しいという消化管特有の問題もあります。例えば憩室炎の画像所見を覚えても、実際の症例で憩室炎を診断する際は、空腸なのか回腸なのか、それとも結腸なのかという様に、どこに病変あるのかを見つける必要があります。
そして、たとえ問題の部位が絞り込めたとしても、その部位に発症する疾患はこれまたいろいろありますので、多くの鑑別が必要になってきます。例えば右下腹部痛をきたす疾患は虫垂炎、憩室炎、腸炎、腸間膜リンパ節炎、大腸癌イレウスなど複数あるので、すべての疾患の画像所見を知らないと見落としてしまう可能性があるのです。
そのため、初学者が急性腹症をきたす消化管疾患の画像診断を習得するのには、思っている以上に時間と経験を要するのです。
上記の問題をまとめると、
- 急性腹症をきたす消化管疾患はたくさんある
- 同じ疾患でも複数の病態を呈する
- 腸管は長いため部位を同定することが困難である
の3点に集約されます。
Ⅳ.劇的に消化管読影ができるようになるStep読影法の開発
1.個別の疾患の画像所見をどれだけ覚えても、診断にはたどり着けない現実…
私はかれこれ15年近く、初期研修医・若手外科医に急性腹症のCT画像診断のレクチャーを行っています。毎週木曜日の朝30分間、5例ほど読影のレクチャーし、2か月に一度堀川先生を招いて、2時間ほどトレーニングしてもらうことを毎年繰り返し行ってきました。残念ながら堀川先生は退職されてしまわれたので、現在は毎週朝のレクチャーだけになってしまいました。
しかしこれだけ手厚く教育していても、研修医のなかには真剣に勉強しているのにもかかわらず何故か読影力がつくまでに2年近く時間がかかる医師がおりました。しかも何名もです。研修医たちも真剣に学習しており、決して手を抜いているわけではありません。実際、読影に迷っている研修医に、「虫垂炎を疑う所見はあるかな?」と質問するとしっかりと所見を言い当てて診断することは可能であり、虫垂炎のCT画像所見と読み方はきちんとマスターしているのです。
私の教え方が悪いのか研修医に尋ねてみても、解説はよく理解できるとの返事が返ってくるばかりで本当に訳が分かりませんでした。最終的には読影力は徐々にはついていくのですが、それでも非常に長い時間を要するのです。とにかく、急性腹症のCTの読影力をつけるための学習効率が極めて悪いのです。
私自身も毎週時間と労力を費やしてみっちりと教えているのに、どうして学習効率が上がらないのか悩む日々が続きました。これはきっと教育方法に問題があるのだろうと思い、ある日思い立って研修医たちに読影が困難な理由を聞いてみました。
ヒアリングをしてみると研修医たちは、疾患の画像所見についてはよく理解してるのに診断にたどり着けないことがわかりました。そこで、診断にたどり着けない理由を聞いたところ、多くの研修たちは、「どの疾患なのか想起できない」ことと、「読影するべき部位が同定できない」ことで苦戦していることが判明したのです。
私はこの時、自分の指導方法が間違っていることにようやく気付きました。私は、今まで診断ができない理由は覚えている疾患の数が少ないからではないかと考え、多くの疾患や、同じ疾患でも多くのバリエーションの画像をとことん教えこんでいたのです。そして、たくさんの画像を見ればすらすらと診断ができるようになるだろうと考えて、できるだけ多くの画像を読むように勧めていました。
2.1000本ノックより効率の良い学習方法の探索
私自身は堀川先生のWebサイトの1500例のCT画像を繰り返し何度も何度も読み込んで、読影技術を会得することができましたが、そのために延べ3万症例以上読み込みました。さすがにこれだけ読み込むと、画像を見ただけで何となく疾患がわかるようになるのです。しかしその時点では、なぜ疾患がわかるようになるのかを理論的に説明するのは困難でした。
私の学習方法は、学生時代剣道をしていたせいか、部活動のトレーニングで行っていた「とことん」やりこんで体で覚える方法を知らず知らずに採用していたのです。これは、野球の1000本ノックと同じで、体(正確には無意識レベル)で覚えるやりかたでした。確かに大量行動を行うことで知識と技術と経験はつくのですが、そのためには非常に多くの時間と労力を必要とします。
また、大量行動によって体で覚えたことは、人工知能の学習方法のdeep learningと同じで、なぜ読影できるのかの理由を説明することが難しいため、学習効果の再現性が乏しいという欠点もあるのです。
将来、急性腹症を専門で扱う消化器外科医になるのでしたら大量行動をすることはお勧めしますが、研修医は他にも覚えることがいっぱいです。私は、是非とも堀川先生の読影技術を研修医たちに覚えてもらいたかったので、限られた時間で効率よく学習できる方法を開発することを決意しました。
3.疾患にたどり着けない苦痛からの解放策
研修医たちは「どの疾患なのか想起できない」ことと、「読影するべき部位が同定できない」ことで疾患にたどり着けずに診断に苦戦していました。
実際、画像診断の教科書で勉強しようと思うと、疾患や画像所見については網羅的に記載されていますが、どうやって多くの疾患のなかから当該疾患を想起するのかの技術的な記載が極めて乏しいことがわかります。そのため、研修医たちは多くの疾患を覚えているにもかかわらず疾患の絞り込みができないため、相当数の経験を踏まないと当該疾患を想起して的確な読影を行うことが難しいという現状が判明したのです。
私は、原因疾患を絞り込める系統だった手法を作ることができれば、この問題を解決することができるのではと考えました。そこで、自分が診断するときはなぜ疾患がわかるのかについて言語化することが解決に結びつくのではとひらめいて、自分の頭の中を探索し始めました。
最初は、言語化することが困難でしたが、いくつかのキーワードを捻出することで徐々に疾患にたどり着くための読影の道筋の断片が見えてきました。その断片を重ね合わせ、実際の症例で試して、改善を重ねることを続けた結果、ようやく1年後に体系化することができました。
次は研修医たちに読影手順を教えて試してもらい、修正を続けて、さらに1年間かけてようやく納得のいく再現性のある読影法が完成したのです。
4.全く新しい読影法 「Step読影法」の完成
「Step読影法」は、疾患の病理・病態に着目し、疾患を炎症・穿孔・閉塞捻転・血流障害・出血の5つの病態に疾患を分類し、各病態で現れる間接所見から病態を類推して疾患を診断する全く新しい読影方法です。
「Step読影法」は、各病態で現れるメジャーな間接所見から病態と重症度、問題部位を絞り込み、病態別読影アルゴリズムを選択し、アルゴリズムに沿って腸管を追跡読影して疾患を探し当てる構成になっています。①各病態で現れるメジャーな間接所見、②病態別アルゴリズム、③各疾患の画像所見、④腸管追跡読影法を学ぶことで、「Step読影法」を習得することができます。今までの教科書は、ほとんど③各疾患の画像所見しか学ぶことができなかったので、狙いを定めて診断する技術は経験から身につけるしか方法がありませんでした。「Step読影法」では、①各病態で現れるメジャーな間接所見、②病態別アルゴリズム、④腸管追跡読影法を追加して学ぶことで、「どの疾患なのか想起できない」、「読影するべき部位が同定できない」問題を解決できるようになったのです。
Ⅲ.Step読影法の効果
Step読影法を習得することで学習者は以下のメリットを得ることができます。
- 各病態で現れるメジャーな間接所見から病態と重症度、問題部位を類推することができる。
- 各疾患は病態に紐づけして覚えるので、鑑別診断が容易になる。
- 病態と問題部位を絞り込めるので、読影が非常に簡単になる。
- 網羅的な腸管追跡が減り効率的に画像診断できるようになる。
- 一定の方法で読み進めるため、診断の漏れがなくなる。
Ⅳ.コンテンツ内容・学習方法
この「Step読影法」の習得のためのコンテンツは、日常臨床で頻度の高い疾患を中心に学習できるよう構成しました。初期研修医および後期研修医を対象としていますが、系統だった消化管読影を学習したい上級医や、研修医に教えるための理論的な方法を探している指導医にも役立つように作成しています。
教材は、①解説スライドと②Web上で操作可能なPACS Viewerによる100例以上の画像読影トレーニングサイトからなり、解説による知識の習得と、Viewerで読影技術の習得ができる環境を構築しました。スマホなどの携帯端末からいつでもどこからでも学習することが可能であり、多忙な医師が空いた時間に学習できるよう解説も長くなりすぎないよう工夫しました。
「病態」と「部位」の絞り込みで狙いを定めた診断ができる「Step読影法」と「遠隔医療」の最新技術を掛け合わせることで、最短最速で高い学習効果をもたらすコンテンツになりました。
早速トレーニングを開始して、自信をもって急性腹症を診れる一生涯のスキルを身につけて、自分自身の手で多くの患者を救ってください。
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